昔の映画をみた


愛する時と死する時
A Time to Love and a Time to Die(57〜58年)

第二次大戦中のドイツの一兵士が主人公の作品。

なぜかAmazonでも引っかからない映画ということで、うちの教授がとても広く精通していることを実感した。

ダグラス・サーク監督が、会えなくなった子供に、こういう生き方をしていてほしい、という願いを込めて作られた作品のようで、大戦中の恋愛が取り上げられている。
ナチス批判はたぶん、この映画は主張していないだろう。それくらい感情重視する日本人にとっては面白いと感じられる映画だった。

当時の前線で捕虜になった人間を撃ち殺すという場面では、シリアスの様相を見せるが、その後一変して、休暇をもらった兵士の帰郷時の恋愛に移り変わる。その比率は1:7くらいの比率だろうか?

主人公が、救った捕虜に「人殺し」と言われ撃たれてしまう場面では、当時、どのような人間の行いでも、「ナチスの非人道的な」というイメージがついてしまい、戦争の悲惨さを感じさせた気がした。

だが、監督はこういう感情より、戦時中の恋愛の希望を訴えたいのだろう、と感じる。

こちらはドイツ語の小説を最初の章だけ日本語訳したから、その背景とかを理解でき、リアルな前線っぽい雰囲気が見て取れた…気がする。



誓いの休暇
BALLADA O SPLDATE(1960/11/)

誓いの休暇 デジタル・リマスター版 [DVD]

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ロシアの白黒映画。

こちらも第二次大戦中の兵士(19)が休暇で帰郷する際の『初恋』を描いた作品。

戦時中の恋愛は、その圧迫された背景もあいまって、芸術というか、美しさ、というのが見て取れる気がする。

一応、母親にも会ってハッピーエンドを迎えるわけだが、この恋愛の書き方は日本受けする、と教授はいっていた。

確かに、日本人が好みそうな「運命的な出会いからの初恋」を「伝えられずにわかれてしまう」という内容だ。

実際は、好き同士になった二人が、結局どうなったのか、ちょっとしたエピソードでも入れてほしかったが、そこを描かないところが映画としての見所だろう。



この2つは、戦時中の恋愛を取り上げた映画ではあるが、背景がドイツ軍かソビエト軍かの違いがある。

ドイツ軍を中心にした映画は、基本的に貧困、緊張、圧迫感、物資不足というものを常に感じられるが、ソビエト側だと、もうちょっと緩やかな戦争描写になっている。

後世から見た両国の戦争観というイメージを垣間見た気がする。

こういった作品は、知ることができるかできないか、という次元な話だと思う。

こういうのを紹介してもらえることは、やっぱりいい事だと思う、今日なのであった。