おくりびと

とまぁ、いろいろ悩んでしまったので、発散もかねて映画を見てきた。

おくりびと

納棺の人が主人公の話。

率直な感想としてはこの映画は、日本人にしかつくれないのだろうなぁ、てなこと。

故人を尊う文化は、結構広くあるけど、死人をきれいに着飾るのって、そんなに多くない気がする。

こういう肉体的には死んでしまったから、精神的な世界の文化っていう特色が日本にはある気がする。

納棺という職業は詳しくは知らないのだけど、以前「特殊清掃」の人のブログを読んでいたことがある。

独居老人の死後2週間たったときの話など、大変興味深いブログである。

蛆の沸き方とか、事細かに知ったものだ。

そういえば死を不浄のものとする神話がいくつかある。イザナギイザナミとかの話も、不慮の火傷か何かで黄泉の国に行った片割れを、結局救うことなく脱出してきて、それはあたかも、もう死んだ人間は不浄のものとみなした描写だった気がする。

死を不浄のものとする文化の日本に、なぜ、死を尊ぶ文化があるのか?そして、今回の作品に関して、それが海外に評価された要素は何なのか?

もうすこし、死というものに近い人(去年のY研の人とか!?)だったら、この映画をどう見たのか、多少気になるところではあるが、

祖母の納棺(するちょっと前の別れの時)の際、少しでも「触りたくない」と脳裏に浮かんでしまった自分にはそういう「死を尊ぶ」という行為はあまり似つかわしくないのかもしれない。